三匹目のドジョウとなれば、1と2のクズでというのは素人考えで、更にマニアックになった内容は中途半端な二作目よりむしろ感動的だったりする。汲めども尽きぬMGMミュージカルの魅力である。これでもか!と出てくるお蔵入りナンバー--どれもなぜ本篇からカットされたか疑問--珠玉の数々に胸躍らせ、お馴染のシーンも別テイクを見せてくれたり(L・ホーンによる本来の“ショウ・ボート”の曲紹介は感涙モノ)、舞台裏も覗...かせてくれたり(あのB・バークレイの華麗なワンシーン、ワンカットを成功させるため、いかに裏方が大わらわになるかの記録など)、もう感謝感激雨あられ。未だかつての面影を残すホステスのJ・アリソンのガラッパチ声も聞け、ハイライトは何と言っても、J・ガーランド映画のアウトテイク集(ことに“THE HARVEY GIRLS”からの“March Of The Doagies”)! それらを封印したことに対しては怒るけど、ちゃんと綺麗に保存しておいてくれたMGMに、アメリカ映画の良心をみた。